大矢真梨子、Nerhol、三瓶 玲奈

Group Exhibition

Past
2016年1月16日(土)-2月13日(土)
13:00 - 18:00

Yutaka Kikutake Galleryでの2016年最初の展覧会として、1月16日(土)から2月13日(土)まで、昨夏Yutaka Kikutake Galleryで個展を開催し今年ますますの活躍が期待されるNerholと、2016年にYutaka Kikutake Galleryで初めての個展を行う予定の大矢真梨子、三瓶玲奈の作品で構成されるグループ展を開催いたします。

 

大矢真梨子の写真作品は、教会のなか、ステンドグラスを通して揺らぐ外光を捉えたシリーズ「Lumen de Lumine」からの作品です。ある光は教会内で反射して輝き、ある光は教会内の存在物を照らし出す。外光によって輝くステンドグラスが柔らかく交じり合い、再び生み出された光―どこに表れ、そして、いつ消えるとも知れない不確かな存在物である“Lumen de Lumine”(光のなかの光)は、写真というメディアが根源的に含んでいた「光」という存在物の儚さを改めて示唆するようです。

 

今回展示されるNerholの作品は、いずれも昨夏に発表された「01」と「Slicing the Onion」からの作品です。インターネット上で跋扈する様々な画像に、プログラム言語の最小かつ最大単位である「0」と「1」という数字を刻んだ「01」と、タマネギをモチーフに少しずつ皮は剥いでは撮影を行い、それらを重ね合わせて掘り込んだ「Slicing the Onion」。ギュンター・グラスの『Peeling the Onion』を想起させるようなタイトルとともに、両作品シリーズには、人の営みが含む曖昧な領域の急所を突き、それらを可視化させるような契機が含まれていると言えるでしょう。

 

三瓶玲奈の絵画は、抽象と具象という両極を行き来するようにして描かれます。作家の身近に存在しているもの、作家が経験したこと、作家の周囲で立ち上がる現象―それらが、一見簡潔に見えながらも深く練り上げられた絵筆のストロークと絵の具のバランスによって描き出され、あるときは抽象的な、あるときは具象的な作品へと結実します。絵画が成り立つ条件への深慮を感じさせつつ、独特の作品世界へと惹きこむ三瓶の作品からは、これからの現代絵画の試みをさらに押し広げていくことが期待されます。

 

大矢真梨子、Nerhol、三瓶玲奈のバラエティ豊かな作品によって構成される展覧会となります。是非ご覧ください。

大矢 真梨子「Lumen de Lumine」 2015
Lambda print, 27 x 40.5 cm
ⓒMariko Oya

Nerhol 「01」6.7.2015
Ink-jet papers, 41.5 x 29.3 x 3 cm /each
Diptych, Unique
ⓒNerhol

三瓶 玲奈「window」 2015
Oil on canvas, 130 x 130 cm
ⓒReina Mikame