新里明士、田幡浩一

in light-Ceramic and Drawing

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2019年5月10日(金)-6月1日(土)
12:00 -18:00

Yutaka Kikutake Galleryでは、5月10日(金)から6月1日(土)まで、陶磁器作家の新里明士と画家の田幡浩一による二人展「in light-Ceramic and Drawing」を開催いたします。本展は、陶磁器と絵画という異なる素材による作品を「光」というテーマのもと組み合わせ、芸術史においても魅力的なテーマであり続ける光と作品との関係性を探る試みです。

新里明士の代表作シリーズである「光器(こうき)」は、透過性の高い白磁に穴をあけ,穴に透明の釉薬を埋めて焼成した作品です。繊細に象られたセラミック作品は光を受けることでその輪郭を逸脱していくかのようで、手にしたときの軽やかな感触とともに、極めてユニークなセラミック作品の存在態を提示します。本展では、これまで白色をベースに展開されていた「光器」に新しい試みとして色の要素を追加した新作を発表いたします。

田幡浩一は、白い紙に白い色鉛筆で描いたドローイング作品を出展いたします。田幡は、花や空き瓶、カップといった静物や、空に浮かぶ雲などをモチーフに選び、それらを画用紙に一定の角度から照明を当てながら白い色鉛筆で描いていきます。完成された作品は、一見すると何も描かれていない画用紙がただ存在しているかのように見えますが、ある角度から光を受けると丹念に描かれた像が立ち上がってくるのです。絵画の構成要素を様々な方法でずらしながら作品を構築することを突き詰めてきた田幡浩一ですが、本作品シリーズでは、光を操りながら独自の絵画の姿を提示することを試みているようです。

 

新里明士は1977年千葉県生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科中退後,2001年多治見市陶磁器意匠研究所終了。主な受賞歴に2005年イタリア ファエンツァ国際陶芸展 新人賞,2008年パラミタ陶芸大賞展 大賞,国際陶磁器展美濃 審査員特別賞,2009年菊池ビエンナーレ 奨励賞,2014年MOA岡田茂吉賞 新人賞。国内の他,アメリカ,イタリア,ルーマニアなど海外でも多くの展覧会に出展し,高い評価を得ている。代表作「光器(こうき)」は,透過性の高い白磁に穴をあけ,穴に透明の釉薬を埋めて焼成した作品。作品自体が光を帯びたかのような印象をあたえる同作は,光に透け文様が浮かび上がる様を蛍にたとえた中国の技法「蛍手(ほたるで)」を独自に進化させることで生み出された。世の日常を超えた器の在り方を探る本技法から,近年では,伝統に根ざしながらも素材と自身の身体との対話から率直に生まれる痕跡を造形化する作品に取り組んでいる。

 

田幡浩一は、1979年栃木県生まれ。2004年に東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業後、2006年に同大学大学院美術研究科油画専攻を修了。2011年より公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修助成などを得て、現在はベルリンを拠点に活動。

動的な要素を含む絵画作品や、絵画的制約をもって構成される映像作品などを制作。代表作に、ペンのインクがなくなるまで蜂を描き続け、それを素材に映像作品とした《bee》(2006年)、ひとつのモチーフを2つの支持体にまたがって描き、それを「ずらす」ことで完成されるドローイングと油彩作品によるシリーズ「one way or another」などがある。メディア間や支持体自体に存在する「ズレ」を通して、目の前にある対象が内包する多様な図像を丁寧に浮かび上がらせる。ひとつのものやその周辺の痕跡達を一つに収斂させることなく、同時に流れえた時間と空間におけるそれらの別の在り方や動きにつながる視座を提示する。